ぱこ

エゴイストのぱこのネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

序盤の出会いからラブラブ期までは恋人同士のリアルな描写にキュンキュンニヤニヤしていたのだが、中盤あたりからの主人公の自己犠牲的な愛が自分と重なる気がしてかなり辛かった。
帰り道、逃げるように私の元を去っていた元恋人達の事を思い出しながら、私がしてきた事って全部エゴだったのかな…?と悶々と考えてしまった。でも相手のために何かしてあげたいと思う気持ちが「好き」の第一歩だと思うし、その心がなければ人を好きになることなんてできなくない?
(流石に私は恋人にお金をあげることは無いけれど)

演技については、とにかく鈴木亮平と阿川佐和子がずば抜けて上手く、後半の二人芝居は食い入るように観てしまった。
宮沢氷魚は以前から演技が若干棒だなぁと思っていたのだが今回もその節があり…まぁ持ち前の美貌と体当たりのセックスシーンが素晴らしかったので良しとする。

個人的に気になったのが、浩輔と龍太が初めて致した後のシーンで浩輔がチャイコフスキーの悲愴第一楽章をかけていた所。
歴代のゲイムービーを観てきた私はすぐに気が付いた。
映画「モーリス」でクライブとモーリスが初めて一緒にピクニックに行き、幸せ浮かれポンチ絶好調の時に流れる曲、At the Pianolaだということを!!!
思えば、クライブとモーリスが初めて出会ったときに二人でじゃれあいながらピアノで弾いていたのが、悲愴の第二楽章だ。
Twitterで、チャイコフスキーもゲイで14歳で母親を亡くしているから自分を投影しているという考察を見かけたが、監督は絶対にモーリスを観て影響を受けているに違いない。

モーリスファンは是非観てください!

P.S.
予告で流れていたリストの愛の夢が聴けると楽しみにしていたのに全く流れなかった!!!!悲しい…。
ぱこ

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