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エゴイストのjunko24のネタバレレビュー・内容・結末

エゴイスト(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

好きな作品でした

映画を見終えて調べました
エゴイストってどんな意味?
利己的な人…
自分が得することが最優先…
うーん、ちょっと考え込んでしまう
その時点で
この映画は成功していると思いました

皆さんのレビューを読むと
エゴイストの意味がわかったというのが案外多くて、これってエゴイストなの?って思った私は少しズレているのかもしれません

浩輔はファッション誌の編集者で常にハイブランドで武装し、高級マンションに住むゲイの男性
ゲイ仲間と楽しそうにつるむ姿が印象的に描かれ彼の住む世界が見えてきます
そんな浩輔を演じる鈴木亮平さん
今回もカメレオンのように些細な仕草や佇まいに浩輔感を滲ませていて…スタイルや髪型が『虎狼の血 2』のあの超サイコパスな役と被るなぁと思うものの
全く殺気がない、まるで雰囲気が違う
お葬式で立っていられなくなって
泣き崩れる彼の姿は…本当に浩輔でした

ゲイ仲間からパーソナルトレーナーとして紹介される若く美しい龍太を宮沢氷魚さん
2枚目路線でも通用する彼は毎回いろんな役柄に挑戦していて、その中でもこの龍太の役はとてもあっていたと思います
あの儚さとピュアさは彼だからこそと思えて
自分のものにしたい、守ってあげたいという魅力が十分にありました 魔性とでもいうような

2人が自然と惹かれあって愛し合う姿も
ここまでやるのかと思うほど
すごく官能的で、綺麗な見せ方で
スタイルのいい長身の2人のバランスも絶妙で
だからこそのキャスティングかなと思ってしまうほど

また、龍太の母の阿川佐和子さんがさっぱりとしていて、でも愛情深い母を好演
2人の関係に気づいていても
『ごめんなさい』って言わないで
大切な人が見つかったんだからそれでいいじゃない
そう優しく受け止めてくれる人

余命宣告を受けた龍太の母の病棟で
泣くのを我慢して眉を描く手が震え
帰らないでと言われて手を握る浩輔の姿は
エゴイストとはすごく遠いところにいるように
私には思えました


映画とは少し逸れますが
友人が浩輔みたいに子どもの恋人が寄り添ってくれたらどんなに嬉しいだろうと話していて
確かに伴侶の親とは距離をとることが普通なこのご時世
浩輔と龍太の母の関係はすごく羨ましく感じてしまいました


映像を邪魔しない
静かだけど美しい音楽が印象的
良いなぁと思いました
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