ようやく観れた。
まずもって鈴木亮平と氷魚くんの演技が素晴らしくて、阿川佐和子がそこに絶妙なエッセンスを加えて、映画なのにどこかこの世界がリアルなのかと錯覚するような台詞の間合い、すごくよかった。
海外のクィア映画しか観たことなかったし、そういうカテゴリーで観ようとしていたけど、これは純粋な人が人を想う愛の形が交錯し合った物語だった。
阿川佐和子のあの台詞が全てだと思う。
涙止まらないよ、ああやっていってくれたら。
コウスケさんとリュウタが恋に落ちるところがナチュラルでそうやって人は恋をするし、相手のことを思いやるよねっていうところが間合いで感じ取れて、割と序盤から泣いてた。
外で手を繋ぐことはやっぱりはばかられる、親に結婚まだか？と聞かれる、あらゆるところで自分がまるでいけないことをしているようなウソをつき続けないといけない、今の日本社会での生き方はしんどいだろうなと、当事者じゃないから軽々しく言ってはいけないんだけど、この映画の随所に散りばめられていた。だから余計に阿川佐和子の台詞がすごく温かくて。
素敵なシーンはたくさんあったけど、コウスケさんが寝ているリュウタにハンドクリームを塗ってあげるところ、温かくて幸せでその時間が羨ましいなとも思った。
人間はみんなエゴイスト。
私の愛する人を守りたいのは私のため、だから。でもそれが相手にとって愛で満たされることもあるし苦しめることもある。そうやって人は人を縛ったりもする。
でも最後の「エゴイスト」のタイトルを見た時は、苦しめたとかそんなんじゃなくて、ワガママだってなんだって大切な人のエゴは全部温かくて優しい、そういう印象を抱いた。
