エゴイストというタイトルが非常にしっくりくる
途中までやけに展開が早いなぁと思っていたら中盤からのたたみかけが胸の奥をキリキリさせてきた。しんどい。
相手のためといいながら自分のわがままを押し通していく主人公
自分自身もきっと同じ立場だったら同じような事をすると思う。
もっと良い道はあったはずでも、これをやってしまう。
与えたがりのエゴが溢れて空まわる姿が見ていてかなりしんどい。
かつ主人公はかなりこのエゴイズムを自覚していて、劇中の台詞にもそれが表れているようだった。
「いや、これは僕のわがままだから」「いや、ほら、君じゃなくお母さんのために」
こんな言葉ばかりが口癖のようにポンポン飛び出てくる。
葛藤というか、折り合いを付けられずに他人とぶつかっていくうちに若干の変化はあるのだが、最後それがどのような形で収まるのかは見る人によって解釈は異なると思う。
1人の人生を(ある意味)狂わせる自分勝手な様を見て「美しい」と思うのは他人事が過ぎるのかもしれないのだけれど、それでもなんとなく「美しいな」と思ってしまった。
なんでだろう。上手く説明ができない。
そしてこの、自分の中に「エゴとは」「愛とは」みたいなザックリとした問いが投げかけられる感覚が鑑賞後もしばらく続く。
配信でみたからまだこれで済んだけど、映画館で見ていたらもっと感情をぐちゃぐちゃにされていたと思う。
結構カロリーの高い映画だった。でも見て良かった。
