スポ根モノと恋愛モノに王道な設定にのっとった物語ではあるんですが、「そこで熱血するのか!?」「ここは仲直りじゃないの!?」「家政婦最高！」「突然のメタ！」と妙にクセのある展開をテンポよく惹きつけてきて、ほどほどのユルさと笑いの連続で、からっと楽しめたお話でした。
このユルさ加減が自分にはちょうどよくて、恋愛事情やタイトルを目指す主人公の焦燥感、プレイヤーそれぞれの事情などもまじえて描きつつも重すぎない程度に留め、観る方が楽しめることを第一に作っているような感覚がして、それが心地よかったのです。真面目過ぎずふざけすぎず、のバランスが自分にとっては絶妙でした。
ジェイがとりわけ魅力的で、彼女はそうと決めた理念と行動、性格が一貫しているんですが、それでも物語上「揺らぐんじゃないか」と思わせる展開が最後まである。けれど、彼女は惑わない。スポーツへ邁進する主人公に献身するヒロインのようで、そうではない「彼女らしさ」が確立して、そのモットーに基づいた行動の数々が、とても爽快で素敵でした。
