滝井椎野

オカルトの森へようこそ THE MOVIEの滝井椎野のレビュー・感想・評価

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濃度120%の、これぞ白石作品といった映画だった。
スーパー霊能力者ナナシやスーパーボランティア矢野を筆頭に、カルトの面々やザコ霊能者等、出るキャラ全ての癖が強い。
個人的に面白かったのがナナシのキャラ。カルトのネオや貞子vs伽椰子の経蔵に通じるキャラクターで、やはりイケメン像が古い。そのデタラメな強さと雑に処理される怪異に、細かいことはどうでもいいか! と観ているこちらまで馬鹿になる。
そしてもう一人、ナナシのスーパーパワーも良いが、矢野の雑な頼もしさも実に良い。霊魂に石を投げてみたり、オリジナルの爆弾付きナイフを投げてみたりと、それで良いのか? と言いたくなるが、むしろそれが良い。
それぞれの行動や起きる現象悉くが荒唐無稽で、初めこそ頭の中でツッコミが止まらないのだが、気付けばそれらを受け入れてしまっている。むしろ、そのゴチャ混ぜの闇鍋感が好ましく感じられるから不思議なものである。
滝井椎野

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