滝井椎野

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IVの滝井椎野のレビュー・感想・評価

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)
4.3
やはり我らがロッキー、間違いない。
4は何度も観た映画で、再編集版といえどそんなに変わらないだろう……と高を括っていたのだが、蓋を開けてみると中々どうして、こうも違うものかと驚いた。
今回のを観て思ったのが、キャラクターの心情が元よりもしっかりと描かれていて、アポロの最期はより悲しく、ドラゴの内面はより人間味を感じ、ロッキーが試合に臨む姿にはより熱さが込み上げた。
いつだったか『映画大好きポンポさん』を観て作品を削る難しさというものにハッとさせられたのだが、今回の作品はまさに追加されたシーン以上に削られたシーンが重要な意味を持っているように感じられた。
特に感じたのは、ロッキーの最後の演説。個人的には、元のシーンも国を越えて人々の気持ちが一つになった良いシーンだったと思ったのだが、今回の編集にどんな意図があったのかを考えてみると、スタローンの当時の心境や、何を真に伝えたかったのかが想像できたような気がする。
しかし噂には聞いていたが、ポーリーのロボットが無かったことにされていて涙が込み上げた。ポーリーがいかにあのロボットを教育して自分好みの家政婦ロボットに仕立て上げたのかが観れるかもと期待していたのだが……。
なんにせよ、諸々含めてロッキーはやはり良い。試合の間はずっと両拳に力が入りっぱなしで、最後は心の中でロッキーの名を叫んでいた。
滝井椎野

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