ゆうき

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IVのゆうきのレビュー・感想・評価

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)
4.5
名作「ロッキーⅣ/炎の友情」を再編集してリマスターした今作ですけど、まるで違う映画になっててびっくりしました。みんな大好きポーリーのロボットはカットされ、より濃厚でシリアスな人間ドラマになってる。アポロの心情への理解が深まり、ドラゴの印象が変化。
「炎の友情」ではロッキーに気迫負けしたように見えたドラゴ、今作では最終ラウンドでは自分のために試合を楽しんでいるような様子も見えて、じゃあ何がどうなって「クリード2」になったんだろう?と不思議でとても悲しくなってしまった。ようやく取り戻した自分を粉砕される出来事が山ほどあったのかな。ドラゴ親子推しなのでつらいです。
アポロのド派手なオープニングショーを見たドラゴが「僕もあーゆーのやりたい」と思った結果がソ連国歌が流れる中での横断幕花火だったのかなぁとか思うと切なくなる。
ポーリーのロボットは屋外にいても家の電話が繋がる実は高性能ロボだったから出してあげても良かったと思うよ、何あれWi-Fi?(お友達に「自動車電話と同じシステムでは?と教えてもらいガッテンしました)

今作では「この試合は政治なんだ」と明確に強調されるので、ロッキーの「俺たちは変われる」という言葉も一層大きな意味を帯びているように思いました。リングの上の2人、会場にいる人たちだけの話じゃなくて、もっと大きな単位に訴えかけてるように聞こえました。勿論当時もその意味はあったんだけど、より強いメッセージを感じた。
スタローンがこの映画の準備を始めた時はロシアとウクライナがこんなことになってしまうとは思わなかっただろうけど、今の状況で観るとますます訴えてくるものがあります。
「クリード2」に繋がるのはあくまで「炎の友情」で、「ロッキーVSドラゴ」はスタローンから現代への警鐘であり、懇願であり、希望なのかもしれない。
ゆうき

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