こんなことしちゃって大丈夫？ブラックで不謹慎すぎない？今で言うなら迷惑系YouTuberがやりそうな話だな？などと心配しながら見ていたが、意外と戦争の不条理さを直視し問う映画になっていた。しかも実話ベース。
ベトナム戦争に派兵された友人を元気づけようと、戦争や派兵への反感が強まる中、兵士たちは国のために戦っていると信じてやまない退役軍人のチッキーが戦地にビールを届ける無謀なことをする話。
まあ、大概の登場人物と同様、何やってんの？気が触れた？と思うわけだけど、チッキーは皆のそんな思いをよそに本当に到着してしまうからすごい。
幾多の偶然や勘違いも相まって、絶対に行けないところに行けちゃうってのもすごいんだけど、セキュリティ大丈夫なのかと心配になるレベル。
戦場カメラマンや記者たちの言葉と現地で目にした報道されない事実、隠された出来事、無惨に亡くなっていく人々。
チッキーが信じていたものが崩れ去る。
戦場の緊張感の中こういう風に目が覚めて気づく人がもっとたくさんいたならば、状況は少しは変わるのかもしれない。
でも一方で社会に馴染めず軍隊のほうが良いという人もいる。他でも描かれたことだが、奨学金目当ての若者もいるだろう。
単純な問題ではないので難しい。ピーター・ファレリーの不謹慎コメディの序盤からは想像できない問いかけを残す実話だった。
