シミステツ

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

#Me too運動の立役者で社会を動かした記者と女性たちの実話を元にしたスクープサスペンス。

告発するのにも排泄物を送られてきたり、裁判に突入したり、声を上げることだけでも勇気が要るはずなのにそれ以上の覚悟や資金、忍耐さまざまなものが必要。示談に応じて沈黙を強いられた人たちも。記者たちも精神をすり減らし、脅しにも耐え、当然家庭生活も日々こなしながら生きていくー
調査に協力したくても、することによって起こる身の回りの恐怖もあり、話したくても声を上げたくてもできなかったり。

セクハラが蔓延するシステムそのものの問題、女性側は全証拠を破棄されるなど法も問題。ハーヴェイの弁護人も当を得ない説明だし。

弁護士が5人押しかけてきて、それぞれが主張しているのを聞きながら何とも言えない呆れた、生き物ではないものを蔑むような表情をしているミーガンが印象的でベストシーン。乳がんの手術を間近にしたローラも名前を出していいと。

映画としてはスクープサスペンスで結論は分かっているとはいえ、取材の力、苦悩、葛藤、被害女性の勇気…シーンそのものは穏やかに幕切れしたものの、その後82名の被害女性が告発につながったというカタルシスには拍手。社会的な運動に発展していったことは喜ばしいことだけど、まだまだ性差別は根深い問題であることに悲しくなるし腹立たしくもある。問題を考えるきっかけとして、学校の教材としてなど是非多くの人に観てほしいと思う。