FOX NewsのRoger AilesとBill O'Reilly。NBCのMatt Lauer。Harvey Weinstein。Jeffrey Epstein。
＃MeToo運動が広がり、富と名声を盾に密かに性犯罪やハラスメントに手を染めていた常習犯に対して公に責任を問うことができるようになったのが今では当たり前のように感じます。
でも少し前までは声を上げることすら許されなかった。声を上げても、誰も信じてくれなかった。
そんな頃に、個人としてもリスクに晒される中で懸命に取材を続け、メディア・エンタメにおける最大の権力者による悪行を最初に暴いた2人の女性記者がいた。
実話に基づく上に無駄な脚色はほぼなく、映画としては少し物足りなさを感じるかもしれません。
電話しても繋がらないから現地で突撃したところ追い払われてしまう様子。
有益な情報を話してくれた相手がon the recordになってくれない歯がゆさ。
被害者側が拭い切れない、実名で話すことに纏わる様々なリスクに対する恐怖。
一躍話題となった記事の裏にはただひたすら地道に取材を続けた地味な日々があった。
本当は誰も名乗り出たくない中で、最後の最後に勇気を振り絞って手を挙げた人たちがいた。
それを知ることができるだけで鑑賞する価値のある作品だったと思います。
鑑賞後に記者2人のインタビューも見ましたが、演じた女優2人と雰囲気が似ていました。
Carey MulliganとZoe Kazanの主張しない演技が、物語の重みを際立たせている気がします。
Carey MulliganはPromising Young Womanをはじめ役のチョイスが好きで、次作が楽しみです。
