絶対的権力者の何十年にもわたる性犯罪を告発した記者と女性達の実話。
日本でも性犯罪の告発が起きている今、このタイミングで絶対に観なくてはならないと思った。
声を奪われ多くを失った女性たちが世界中にいる。
この話は全然他人事ではないのだ。
エンドロールの「HERSELF」の文字を見て、その覚悟とこの映画に込められたものの重さに、私は立ち尽くした。
1人の行動はやがて世界を変える。
でもその一人一人の信じられないほどの勇気と強さを、私たちはちゃんと理解できているだろうか。
「被害の後、笑う人がいるか?」
この言葉は日本の性犯罪の告発でもよく聞く。とっても嫌いな言葉。
確かに性犯罪は被害者の心身を深く傷つけ、彼らの人生にずっと暗い影を落とす。
でも、生きている限り毎日は続くし、生きるために前を向いて歩くしかない。
それに、幸せを感じることは何にも悪いことじゃない。たくさん笑っていいのだ。
私達は日々、無力感や絶望感を味わって生きている。
絶対的な権力を前に、私達は結局何も変えられないのだと諦めてしまうことも多い。
でも、諦めなかった人がいるから世界は変わってきた。
そのことを忘れないでいたいし、正しいことを諦めずに続ける強さを私は持っていたい。