オーキッド10歳とムクシン12歳の夏休みの交流を描いた、『細い目』『グブラ』に続くオーキッド三部作。
相変わらず素敵なオーキッドのパパとママ、ヤムさん。
共同体や男女、役割の規範を反転させる力強いユーモアに富んだ物語は、彼女らしさの根源を見るようで、
恋と未分化な感情、思春期の始まりに胸が締め付けられる。
これまでのキャストも別のキャラクターとして蘇り、どこか平行した別世界に誘われるような夢遊感を感じながら、ああ、君はここで生きていたんだねって泣いてしまった。
もう会うことはなくても、あなたを忘れることはない。
あの時あなたは私と生きて、今もなお私の中であなたが生きる。
エンドロールの大団円に万感こみ上げる、素晴らしい三部作のラスト。
