ムクシンの作品情報・感想・評価

「ムクシン」に投稿された感想・評価

EDEN

EDENの感想・評価

3.8
6/5/2021

小さな恋のメロディ、小さな恋のものがたり、それよりも少し歳が上になるのがリトルロマンスや先日観たJeremy. この映画は、歳としては最初の二つと同じくらいになるのかな。

Soulmate。「恋」という定義はあまりにも広すぎて狭すぎる。大人たちの事情で引き離されてしまう2人。

閉塞的すぎない村。常にたくさんのストーリーがそこにはあって、同時に存在する。この監督の映画はオーケストラみたい。いろんな物語が、いろんな物語と、心地よく絡まって、影響しあって、ひとつになる。

兄へのハグ。夜のレコードとダンス。木登り。タコあげ。緑の生い茂る道を自転車で2人乗り。美しくて柔らかなクラシック音楽。

I never saw him again after that day. But he never really left me somehow. I don’t think he ever will. I never wrote that story my teacher asked me either. But I found an old poem which I shared with him. It read,

“The minute I heard my first love story, I started looking for you, not knowing how blind that was. Lovers don’t finally meet somewhere, they’re in each other all along.”

We don’t always find the one we carry inside us. But love is kind. He gives us second chances. I found mine. I hope Mukhsin found his too.
ゆき

ゆきの感想・評価

4.2
何もわからないままの恋

ピュアだけどちょっと苦い、エンディングまで朗らかな優しい時間。
多言語が飛び交う、異なった環境で育つ10歳と12歳。
自分史上一番好きな2人乗りが見られるこの作品。
駆けるオーキッドを見守ったり、ムクシン目線になったり。
顔でサインする女性たちの賢い関係やヤンさんとの距離感が良い。
些細なことで崩れてしまう繊細な関係は、傷つくことも大事な体験だと教えてくれる。
2019年の監督追悼企画に続き、2020年デジタルリマスター版を鑑賞。
何度見てもvery niceな一作です。
×××
10歳のオーキッドと12歳のムクシン。二人は夏休みに出会い、次第に恋心を抱いていく。家族の問題や友情の狭間で初恋に揺れる2人を追う。
R

Rの感想・評価

4.8
シアターイメージフォーラム渋谷にて鑑賞。

ヤスミン・アフマド監督の「オーキッド三部作の3作目」であり、オーキッドが10歳の頃を描いている。

少女オーキッドは10歳、少年ムクシンは12歳。夏休みに出会った二人はすぐに仲良くなる。
この少女時代のオーキッドが『細い目』と『グブラ』のオーキッド役=シャリファ・アマニにそっくりでビックリ!
実は『細い目』よりも前に撮っていたのか?…と思ったら、シャリファ・アマニの妹シャリファ・アリアナとのこと。

オーキッドは「窓からカバン」とか「お仕置きシーンの声」で笑わせてくれる。

少年ムクシンはオーキッドに恋心を抱くのだが、意識してしまうとぎこちなくなるあたりが上手く表現されていたと思う。

それぞれの抱える家族や近隣者の悩みを浮かび上がらせながら、幼い2人の思春期の入口の輝きを描き出す。

そして奇跡的な瞬間を見せてくれるシーンは、「映画を観ていて幸せを感じる瞬間」が胸に迫る!

そして、「このためにあった三部作なのか…」と思う大団円!

ヤスミン・アフマド監督が「我が母と父に捧げる」とした素晴らしき映画だった。
smmt705

smmt705の感想・評価

-
勝気なオーキッドに会う度に、あぁ、ヤスミン監督の作品にまた戻って来たんだ!と感じて幸せな気持ちになる。オーキッドとムクシンの木登りとか凧揚げとか、とても素朴な遊びとやりとりの中で、ムクシンが想いを伝えられず、もじもじしているのがとても可愛らしい。隣人やムクシンの家族や、決してすんなりいかない現実も必ず存在している事を忘れないところも変わらず、映画を信頼するって変だけど、そんな感情になった。
空中に浮いていくシーンが良かった。
最後のみんなで歌歌うのとかほんとにこの人って人間を愛してるんだなあと思った。

東京国際映画祭
ワールド・フォーカス部門

【 甘くて苦い、忘れられない恋 】

世界で愛され続けるヤスミン・アフマド監督の最高傑作「ムクシン」。負けず嫌いな少女オーキッドと転校生ムクシンの小さな恋の物語を描く。真っ直ぐな思いが重なり合い、すれ違う、なかなか結ばれない二人の恋。好きだからこそ嫉妬もするし、もっと近づきたいと思う。少し背伸びをして髪を整えたり、2人乗りができるよう自転車に布を巻いたり、そうした小さな行動に胸がキュンとしました…
まだ未熟な2人だから、時に感情が思うように伝えられず、空回りしてしまう。
大人になって、苦しかったことも含めて掛け替えの無い思い出となる。きっと、あの時の言葉、行動が愛おしくてたまらくなるはず。「ムクシン」は何年経っても心にのこり続ける「忘れられない恋」の物語でした。

(鑑賞者:あみ)
白

白の感想・評価

5.0
帰る場所を見失った気持ちは、時間の流れに取り残されたりしないということ。かけがえのないものは失われたあとに現れるということ。
作文にまとめることができない少女の夏は、徹底的に孤独で美しい。
マレーシアの宝といってもいいヤスミン・アフマド。

神様はいじわるだ。たったの6本撮らせただけで彼女を連れていかれた。それだけ映画の神様に愛されていたのか。

TIFF2009で『タレンタイム』を観て以来、尊敬する監督。そしてマレーシアのこともずっと気になる国。本作品の上映前に4Kフィルム修復の過程を見せてくれたが、日本の技術がこういう形で生かされて本当にうれしい。

ジャワ人、インド人、華人が多く住む多民族社会マレーシア。熱い国。時折り激しく降る雨も涼しい風を運んでくれる。厳しさの中に優しさあり、マレー人の強さや朗らかさ。誰よりも優しい監督の人間賛歌を堪能した2時間だった。
始まってすぐの父の楽団の演奏で、スコールの中を母と娘が手に手をとって踊り出すシーン。なんと幸せな時間か。

作品は監督の少女時代を反映しているようだが時代はいつなんだろう。街中には子供たちがいっぱいいて空き地で、カバディなどして遊んでいる。もう邪魔なくらいたくさんいた。
凧揚げに木登り、お菓子作り。みな手作りなのがいい。あの凧揚げの夫婦はあっちの世界の人間なんだろうか。

物語の軸となるのは10歳の少女オーキッドと12歳の少年ムクシンとのひと夏の恋。いやまだ恋未満かな。

あー えっちゃん何してるかなぁ。。。

えっちゃんというのは小学校の同級生の2つ上のお姉ちゃんで、体が大きくってやる事が大胆で誰より面白かった。
サッカーのリフティングも木登りも秘密基地の作り方も、超人の似顔絵もみんなえっちゃんに教わった。
幼いオーキッドを見てすぐに彼女のことを思い出した。あの男勝りの少女はどんな大人の女性になったのだろう。

ヤスミン作品には他にも年代の違うオーキッドが出てくるようで、この作品のオーキッドは一番若い。彼女はクラスの悪ガキのカバンをバスから放り出すくらいの事は平気でしてしまう。女の子の遊びはつまらないと言っていつも男の子たちと一緒になって遊んでいる。あの悪ガキたちに殴りかかる恰好もおかしかった。身体全体でポカポカって音が聞こえてきそうでもうマンガみたい。

この作品の優れたところはこういう些細な描写にある。キャラクターが実に自然。なかなかこんなふうには撮れないなあと感心する。監督はストーリーをどう描くかに注力している。きっとその場で水が流れるように自由に演出を加えていく。なかなか真似出来そうでいて、、いや実は簡単にやれるものなのかもしれない。
まずは撮影をする前に固い頭と身体をほぐす。固定観念を外すってところが一番大切なのだろうな、きっと。

「ムクシン」というタイトルだが、脇にいる人々もみんな主人公。気になった人々

まずあのムクシンのおばさん。お手伝いのヤムさんとは旧友らしく二人で菓子作りをしているシーン。さっきまで笑っていた彼女がふと物思いに沈みこむ。また家の庭先の落ち葉をただ箒で掃いている姿にも彼女の人生が感じられた。

あとムクシンの兄フセイン。母の愛に飢え、満たされない思いを抱えて夜の街を彷徨っている。あの悲報を受けた夜、ムクシンは黙ってそっと兄の体を抱きかかえた。

それにお隣りのカウボーイ野郎の奥さん。娘のアユに隣りの夫婦がいかにマレー人としての誇りがないかって悪口を日夜吹き込んでいる。夫はバイクは磨いても妻とはろくに会話もしない。案の定、他の女性とも結婚することになり家を出て行ってしまった。妻が妊娠中にも関わらず。。この辺り、一夫多妻制の複雑なところだ。

そしてオーキッドの父。ソファのお金を払わずに回収されてしまう。この街に家具屋は12件ある。この手を使えば新しいソファを3か月ごとに3年はいけるゾって。いつも飄々としているが彼には彼なりの一本筋のとおった信念があるのだろう、たぶん。

ラスト、すれ違ったままの別れ。でもその傷を一生忘れられない大切なものとして大事に胸に抱えて生きていく。

至福の時間はここで終わらない。更にその後のあのカーテンコール。監督の父が弾くピアノに合わせ母が歌う。周りでスタッフ達も唄い踊って自由に動きまわる。幸せのサンドイッチで劇終となりました。

若いころに少しだけ映像制作の現場に身をおいたことがあるが、あんなに幸せそうな人たちは見たことがなかった。
幸せな人たちが作った料理がまずいわけがない。おいしいものはこういう仲間たちが作り出す。ということが分かった映画でした。
aymm

aymmの感想・評価

4.5
東京国際映画祭にて「ムクシン」4K修復版観てきました!

ヤスミン・アフマド監督によるオーキッド3部作の最終作。

初恋の切なさと家族のぬくもりが穏やかに描かれたヒューマンドラマです。

雨に打たれながら歌い踊るはじまりから
スタッフや家族総出のラストまで
こんなにも愛に溢れる映画ある?って胸が熱くなりました😢

「細い目」を観てるひとには分かるサプライズに歓喜…!
とはいえ私は3部作の2作目「グブラ」を未見なのです…どうにかして観たいです。
ユーゴ

ユーゴの感想・評価

4.5
ユーモアのセンスが最高な映画はそれだけで好きになってしまう
避けられない不幸とかすれ違い、感情の難しさを描きつつも、最後まで人間の愛を信じる監督の優しさに包まれる映画だった
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