冒頭のアトリエ（かな？）のシーンから美しさと、これ全部画？！に度肝抜かれて、横になってた身体が思わず起きました。
そして、三度巻き戻しました。
戦禍で両親と生き別れた姉弟の命をかけた亡命の旅路をガラスに描かれた油絵で動きを持たせた10年の歳月をかけた長編アニメーション作品。
フローランス・ミアイユ監督の曾祖父母と母と叔父の逃亡経験と、この数十年で驚異的に増加した戦争や迫害や飢餓による人口移動への思いから作られた作品で、実話作品ではないものの、必ずどこかで起こっている普遍的な事実とメッセージを込めた素晴らしい作品でした。
油絵独特の表情豊かな色彩の美しさと力強さを感じながら、残酷で悲しいシーンはとことん飲み込まれるような感覚になる…煙とか、黒いシーンは特に怖かったなぁ。
芸術性の高いアニメーション作品。
キョヌとアドリエルの姉弟が両親と生き別れてから、国境を目指して過酷な旅をして行くんだけど、とにかく捕まらないように逃げながら生き延びて、また生き延びて、たくさんの人と出会い、別れて行く。
常に生死の境界線にいながらも、どこかおとぎ話に迷い込んだ感覚になるのも魅力的だった。
こんな事が今もどこかで起きているかと思うと焦燥せずにはいられないし、子供達目線の作品なので本当に胸が苦しくなる。
ストーリー自体テンポが良くて入り込みやすいし、構成も素晴らしく、画のパワーが本当に凄まじいのでストーリーにぐいぐい惹き込まれたなー。あっという間だったし、心に残った。
昨日までの配信だったので急いで観たけど、本当に観て良かった。
2024-030
