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宮松と山下のHKのレビュー・感想・評価

宮松と山下(2022年製作の映画)
3.5
2022年11月の公開。同年8~9月には香川照之の例のお騒がせ事件があったわけで、タイミングが悪いというか、お蔵入りの危機もあったかもしれず、ひっそりと(?)公開はされていたようですが、本作そのものもひっそりとした地味な作品でした。

それでも、エキストラの仕事で自分と別人を演じている主人公と、日常生活をしている主人公本人の境界をあえてボカシたところがちょっと面白く印象的。
共演は尾美としのりや津田寛治ですが、香川照之のほぼワンマン映画です。
CMプランナーやクリエイターとして知られる佐藤雅彦を含む3人の監督集団「五月」による初の長編映画なんだとか。

香川照之が記憶喪失でエキストラというと、似たシチュエーションの『鍵泥棒のメソッド』を思い出しますが、今回の主人公はもっと静かでもっと不穏で底が知れません。
殺されるシーンが終わってヒョッコリ起き上がるところは、『トウキョウソナタ』で演じていた車に跳ねられたのに何ごともなかったように家に帰る男を思い出しました。
この人、こういう几帳面そうで危ういキャラがほんとピッタリです。

しかし、山下が本名なら宮松っていう名前はどこから?
一緒に住んでると思った女性が女優なら、大鶴義丹も嫉妬する役を演じていた俳優?
エキストラにしちゃ主人公セリフあったし演技もリアルだし準主役級に見えましたが。
タクシー運転手時代の2人の同僚との関係もなんだか微妙で、尾美としのりは何をどこまで知っている?

ちなみに香川照之と尾美としのりは同い年(当時56歳)で誕生日まで同じとか。
一番若く見えた津田寛治も2人と同い年(当時56歳)だったのも意外。

余談ですが、今回マジマジと香川照之の顔を見る機会が何度もありましたが、目元なんかやっぱり母上の浜木綿子に似ていますね。今さらですけど。
あちらは美人女優、こちらは不気味な中年男(←失礼)でパッと見は共通点なんて無さそうなのに、部分的に似ています。そんな親子たまに見かけますね。
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