いかえもん

コード CODE 悪魔の契約のいかえもんのレビュー・感想・評価

コード CODE 悪魔の契約(2016年製作の映画)
3.8
netflixの台湾版「模倣犯」で主演していたウー・カンレンの作品を観てみようと思って、こちらを。

銀行に勤めるアレックスは仕事もあんまり振るわないし、貯金もあんまりない。だけど、かわいい彼女ともうすぐ結婚を控えていた。彼女を幸せにしたい、望むものを買ってあげたい、その一心で友人から送られてきた「CODE」というアプリをインストールする。そのアプリは願い事を書きこめばその願いが叶うというものだったが、もちろんただで願いがかなうはずもなく、対価としてアプリからの要求に答えなければならなかった…。

小ぶりな作品だし、あるあるな展開なんだけど、なかなかおもしろかった。見てるこっちはそんなでかい願い事したら、代償も絶対ヤバいって!とか思うのだけど、人間の欲望って果てしないっていうか、もっともっととなっていくのよね。最初は冴えない銀行マンだったアレックスが富を手に入れ、眼鏡をコンタクトに変え、いいスーツを着て、いい車に乗って髪型もバシッとキメて外見的にはかっこよくなっていくんだけど、顔がどんどん悪くなっていって、いつも不安と恐怖を抱えているようになる。その演技がウー・カンレンはとても上手い。

ネット社会になった今、こういうアプリって出てきてもおかしくないなと思う。非常に極端なことを言えば、別の映画だと「ペイ・フォワード」の悪魔版みたいな感じでもある。誰かが願いを書き込む。その願いを達成できそうな人にその依頼が届く、で、願いをかなえてもらった人は、また別の人の願いを叶える。といった具合につながっていって、一人一人は目的は何なのかは知らないままにパズルのピースの一つとして機能しながら、最終的に大きな絵が描かれていたみたいな。
オチもなかなかよかったな。やっぱり地道に働くのがいいよ…って思う映画でした。