魅力&オマージュ映画紹介動画はこちら↓
https://youtu.be/w_92TytcCcw
【STORY】
厳格な母親と身体の悪い父親のもと、いつかきっと自分は大スターになると信じて暮らす少女パールのあふれる野心が、理想と現実のギャップによって暴走し始める🪓
【REVIEW】
A24による三部作、1作目『X』では既に老人だったパール。前作以上に強烈なミア・ゴスの演技で彼女のルーツを描く2作目。個人的には1作目よりもっとツボだった。
前作『X』では『悪魔のいけにえ』を中心とする古き良きスラッシャーホラーへの愛を感じたのに対し、今回の『Pearl』のオマージュの軸になっているのは歴史的な名作ミュージカル『オズの魔法使』。実際タイ・ウェスト監督はミアに『 オズの魔法使』と『ジェーンに何が起こったか？』を見せたという。
今回舞台となるセットやサウンドトラック、パールの境遇、ファッション、夢見るパールの仕草、更にカカシが登場するなど、あからさまな『オズの魔法使』オマージュ全開で、まさに闇堕ち版ドロシーの物語になっているのが映画ファンのハートをくすぐる！ミア・ゴス演じるパールが楽しそうに踊って見せたり、夢見てワクワクしている姿はまさにドロシーだけど、とはいえしっかりスラッシャーホラーの流れを汲んだ作品なのでいつまでも『オズの魔法使』のファンシーさでいるわけではない。ファンシーでノスタルジックなミュージカル要素は常にありつつも、しっかり狂気的で残酷でゾクゾクする描写もあるのがこの映画。
ホラー映画の中では、話の怖さレベルではそこまで怖くないかもしれないが、今作の魅力はなんと言ってもパールのピュア過ぎる狂気。怖そうな人がちゃんと怖いのももちろんホラーとして成立するけど、夢見るいたいけな少女が自分の信じる夢が強すぎて何をしでかすか分からないというナチュラルに狂った行動、雰囲気と行動のギャップがかなりハラハラドキドキさせてくれる。そして極め付けは予告編でも印象的なパールの笑顔。ホラー映画ではこれまでも印象的な怖い笑顔が生まれてきましたが、これもホラー映画の歴史に残る笑顔なのではないでしょうか…。
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観た回数:1回
直近の鑑賞:海外版(22年11月)
