ヨダセアSeaYoda

チャレンジャーズのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)
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めちゃくちゃ面白い!!!

「A=B、B=CならAは実質Cだね」といった屁理屈ジョークがよくあるけど、今作の「テニス」「恋愛」「対話」「音楽」は屁理屈なしにすべてイコールで結ばれている。
対話はテニスを通しても行われ、音楽と対話は同じくらいの音量で耳を震わせ、さらに恋愛を構築する対話も着実に面白く、そしてテニスは恋愛関係を表す。

そのイコールの四角形の真ん中で物語を支配するのは、ゼンデイヤ演じるファム・ファタール、タシ。恋愛とテニスが因果関係で結ばれているからこそ、タシの「楽しさ」「勝利」への狂気的なストイックさは、恋愛関係を狂わせ、テニスの試合を異次元の高みへと導いていく。

神と悪魔は紙一重。ゲームマスターであるタシが、チャレンジャーであるふたりの人間関係も試合もすべてを掌握し、それでいながら戦いの行方にはタシ本人もドキドキしながら見守る、そんな構図がすばらしく面白い。

常人にたどり着けないストイックすぎるゆえの狂気の鍋に、恋愛とテニスを放り込んで煮込んだようなこの映画。ルカ・グァダニーノ監督の頭の中を覗いてみたい。

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