kabcat

Pearl パールのkabcatのレビュー・感想・評価

Pearl パール(2022年製作の映画)
3.5
『X』の次作はパール若かりし頃の物語で、1918年の話とされるが、映像は明らかに『オズの魔法使い』を初めとした40-50年代の映画を意識したもので、鮮やかな色彩はテクニカラーによるものだそうだ。このように今回も過去の映画に対するオマージュに満ちていて(パールが映画館で観るダンス映画や映像技師がこっそり見せてくれたブルーフィルムも実在するものだそう)、監督の映画愛を再確認できる。麦畑や教会をバックにした引きのシーンなどはとても美しい。

一方でストーリー展開が単調に感じられ、セリフでの説明も多く、映像のあちこちにトリックが仕掛けられた前作と比べると退屈に思えてしまう。シリーズ作品で前作を凌ぐものを作るのはなかなか難しいものですね。

ミア・ゴスが引き続き今回は若いパールを演じているが、Xのマキシーンとは違って、幼さと情熱と非道さを併せ持つ複雑な人格を魅力的に表現している。マキシーンとは違って垢抜けないサロペットとブーツの着こなしがまた別な意味で可愛い(シルクハットのコーディネートがまたよし)し、クラシックな赤いドレスもお似合いです。
kabcat

kabcat