あさ

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしいのあさのレビュー・感想・評価

3.0
作品の持つ「優しさ」はひしひしと。
グウ、けれど今の私には浅瀬ジャブジャブ感が私には否めず…。どうなんだろう。「その程度」という言葉を選んだらもうお終いだし、それは相手の心に対する立派な加害になると思うのだが。その意識が頭の片隅にあっても尚、その考えがよぎったなら私はもう有害な人間かもしれない。

聞く人を傷つけている。私はきっと。
恋人でも友人でも両親でも、私は悲しい話をする。レイプの話もする。裁かれない罪の話もする。生活苦の話や、政治的思想についても話したい。勿論、相手は選ぶけれど。

きっとそう、傷ついて傷つけても声に出して話すことってきっと大事だ。けれども、たしかに。私は怒りに飲まれすぎてしまったのか、単に無頓着なのか、話せずに抱えてしまう気持ちに想いを重ねられなくなってしまったのか。と書きながら思うなどする。

私は白城さんの生き方も否定はできないと思う。現実は汚いと認識して、その上でサークル掛け持ちを選んでいる彼女は何も間違ってはいないと思う。諦めてしまう感情は頭ごなしに否定しても、それこそ七森が独善的だなと思ってしまった。七森は十分伝えたよ。なんかもうそこからは個人の選択であって、マジサークル辞めろはやりすぎだなと思っちまう。まあだからと言って、全部受け入れて生きていくのは違うので、不快に慣れずにかわして生きていくことが難易度高えって話なんだけど。それを客観的に描いてくれたのかもしれん。

あと、男性が存在するだけで恐怖になるのだと、僕が生きているだけでと自信を無くし立ち尽くしてしまうのは本末転倒だと。悪いのは「男性」という大きな主語ではないんだよ。だから男女の分断をせずに話し合いたいんだ。とはいえ迷いながら知るって、とても体力のいることだよね、とも思う。「どうしたらいいか分からない」も正常なリアクション。だから、話し合い、大事だよな。これも進撃の巨人に脳が繋がってしまう、何もかも…

そう思うと、麦戸ちゃんが痴漢を目前に涙を流してたけど(私この設定になぜかデジャヴ感があった…なんかで見た?)、人はどんな瞬間に他人事ではなく自分ごととして社会問題を捉えていくんだろうね。段階的かもしれないけど。
あさ

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