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熊は、いない/ノー・ベアーズのmitoのレビュー・感想・評価

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2023年109本目。
イラン本国での自身の境遇の影響で、工夫を凝らした撮影方法を活用するパナヒ監督作品。

亡命を企てる都会のカップルを映したドキュメンタリーと、監督が滞在する昔ながらの文化を尊重するイラン国境付近に位置する田舎町、2つの風景からイランの社会的な問題や、監督自身の現在の近況を紐解く。

イスラム的な宗教的な思想に時代錯誤な村社会文化が混ざり合い、近代国家では起こり得ない騒動や事件に巻き込まれる監督。
亡命や密入国でなければ、まともに出国すら出来ない国のシステム。
監督が感じている環境のおかしな点をセミドキュメンタリーテイストで描いている。

かなり地味な作品なので、大分睡魔が襲ってくるが、要所の何気ない一場面の裏に闇が垣間見れて、ゾクッとする。
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