ミチロウ

アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~のミチロウのレビュー・感想・評価

4.3
政府が間違っているときは、みんなが声を上げていかなければいけない。
しかし実際は利益誘導と恐怖支配によって、不満を抱きながらも現状維持を選んでしまう。
そこにどうやって風穴を開ければいいのか?
それに対する一つの回答をこの映画は与えてくれる。
必要なのは、信念を持ったリーダーの存在と未来を変えたい意志を持った若者の存在。
そして一番大切なのは多くの市民の声。
いくら指導者が立派でも、思想が正しくても、市民が声を上げられる環境を作らなければ、社会を変えることができない。

ここ日本においては、SEALDsの働きで、いいところまでいったのだが、結局政権を倒すことができなかった。
その失望感は大きかったが、一人一人が声を上げていかなければ、この国の劣化を止めることはできない。

町山智浩は、この映画をテンポがよくて楽しく観れる、と説明していたが、実際はなかなかに重い作品だ。町山は少しでも多くの人にこの映画を見てもらいたかったのだろう。3割の人間が目覚めれば社会を変えることができるのだから。
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