このレビューはネタバレを含みます
✨2024年59本目
ダークなジョーカーとしての一面を披露する映画ではない。第一作ジョーカーの世間に与えた多大なる影響における責任に対してのアンサー映画であった。
もはや一作目を否定するかの様な内容だ。
我々の知っているジョーカーはいなくなってしまった。アーサーという世間の期待に応えるのに疲れ果てた男が目の前にはいた。
レディーガガ演じるリーもそんな彼には魅力を感じていなかった。
劇中で無惨な殺害が行われるのだけれど、これらはジョーカーの妄想の中で、そしてミュージカルとして繰り広げられていく。
今作はリーガルものとして、ジョーカーが犯した殺人の判決が下されていく。弁護人としては、二重人格を盾に、あくまでも殺人を犯したのはジョーカーでありアーサーではないという戦法で行こうとしていた。しかし、アーサー自身が"アーサーとして"1人の単独の自分が犯したものだと認めてしまうのである。
そんな彼に陪審員が次々と有罪判決を下していくごとに彼は死刑へと突き進んでいく。そんな判決を聞くごとにアーサーは笑うのであった。どこかダンサーインザダークを彷彿とさせる異常さを感じた。
なぜ我々は社会に反抗するジョーカーという異常者を期待してしまうのだろう。彼は我々の代弁者なのか??
いや、我々には信じるものがなくなってしまったのか。信じても期待はずれで終わってしまう。
ジョーカーはカルト化していた。そんな彼は死を迎えた。しかし、それを追う様に新たなジョーカーが誕生してしまう。
ゴッサムシティの正義は混沌を極めている。