このレビューはネタバレを含みます
ジョーカーは、俺が唯一
劇場で2回観た映画。
俺のように、いてもたっても
いられなかった人が、きっと
たくさんおるやろうと思う。
Blu-rayも買って何回も観たし、
ふつーにバットマンも好きやし、
とにかく特別な映画やった。
続編ももちろんずーっと
楽しみにしてたし、
よーやくきたー‼︎と思ったら、
『えっ?ミュージカル?
ちょっと何言ってるかわかんない。』
そんな状態になってました。
あわよくばバットマンも
出てくるんじゃないかって
期待してたけど、1ミリも
出ませんでしたね、はい。
まぁそれは全然いいんですけど。
リー(レディーガガ)の存在は、
ことごとく俺たち観客を、もっと言えば
ジョーカーに感化されたやつらを
的確に捉えている。
「アーサーはいいから早くジョーカーを出して!」
「自分もジョーカーのように生まれ変わりたい!
みんなに注目されたい!」
けど、どーですか?
ジョーカーになれましたか?
ジョーカーのメイクをして、服装をして
悪いことをして、スッキリしましたか?
そんな人たちを見て、カッコイイと思いましたか?
リーも中途半端にメイクをしてハーレイクインに
なろうとしてたけど、1人では何もできなかった。
ジョーカーがジョーカーじゃないと
気づいた瞬間、ハーレイクインに
なることすらも放棄してしまった。
忘れてはいけないのは、少なくともアーサーは
革命を引き起こした事実は
間違いないということ。
最後の最後は哀れで惨めな
アーサーやったけど、確実に
ジョーカーになった瞬間はあった。
ただ、そのジョーカーすらも哀れで惨めな
ただの人殺しだった、
それだけのことなんじゃないかな。
あの、続編を作るにあたって、
いくつかの未来があったと思います。
それこそ、バットマンを登場させる。
ジョーカーとハーレイクインが手を組んで、
悪事を働くアクション映画。
けど監督が、製作陣が選んだのは、
"1番面白くない未来。"でした。
けど、その勇気は賞賛に値します。
この映画に対する評価は
"低くないと駄目"だと思います。
ミュージカル?いや、妄想やろ、全部。
ジョーカー?いやアーサーフレックやろ、ただの。
アーサーフレック?はっ、誰それ?
そんなやつ知らんし。
"ジョーカーなんていないんだよ"っていう
事実を、徹底的に、完膚なきまでに
叩きつけてくる。はい、わかってます。
ジョーカーなんていません。
何者でもない、何者にもなれない
僕のような人間は、一瞬ジョーカーに
憧れちゃったりもしましたが、
しっかり現実を見て生きていきます。