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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥのojiのレビュー・感想・評価

4.0
トッドフィリップス作品
大傑作・大問題作『ジョーカー』の続編!?

これは賛否分かれるよね。
正確に言うなら、否の方は前作との比較でというニュアンスが強い気がするのと、本作を「ミュージカル映画」という目線で見られてしまうことによるものである気がする

僕からすると、「ミュージカル映画」ではない。確かに歌唱シーンも多いし、小躍りしたりもするのだが、「ミュージカルですよ!」みたいな見せ方ではない。だし、ミュージカル映画なら、それなりにそのシーンをミュージカルとして楽しめるはず。
そこはやはり前作の影響を伴っているし、ジョーカーという題材では、ミュージカル映画にまで発展はしないという気がしているから。

だからそういう目線無しで見て頂ければ、本筋のシナリオとしては、ちゃんと観られる。
しかし、前作を越えるセンセーショナルな感じは確かに無い。その意味で、作品の力強さは前作よりは劣っていると言えてしまう。
個人的には、「続編」という構え方より、チャプター2ぐらいの印象。別作品ぐらいで構えた方が、余計な詮索なしで観られるような。

でも僕は好きですね、大傑作!とかでは無いのだが、邦画のメジャー作品かそれ以上には楽しめたなぁ。

刑務所と裁判所という往復だからか、照明の使われ方、つまり影の作り方が良くって。これは、レディガガ演じるリーの登場する冒頭や、尋問など、人の内面を映し出すような撮り方に成功しているというか。
その制作力としては前作同様な楽しみがあったので良かった。
ついでに言えば、レディガガはやはりスターなのだということを理解した。『ハウスオブグッチ』以来に見たけど、全然良いし、あえて下手に歌っているというエピソードも好き。それやっても上手く聞こえるもんな。

ホアキンは、前作のような刺激的なシーンがあまり無いので、見せ場としてはレディガガにとられているような気もするが、オープニングのバックショットで、アーサーに臨む姿勢に感服した。骨ってそんなに浮き彫りになるんかという、もはや気持ち悪さ。ここから悪魔の羽が生えるのかという期待を持つ始まりだったな
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