なお

ちひろさんのなおのネタバレレビュー・内容・結末

ちひろさん(2023年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

ビールとラーメンと餃子が食べたくなった。
原作は私にとって人生の教科書だと言えるくらい思い入れのあるもので、有村架純とちひろさんのイメージがかけ離れていたから、最初は訝しげに見ていた。
だけど、温かさと冷たさが同居するその姿は、間違いなくちひろさんだった。エンドロールを見る頃には、有村架純以外考えられないと思った。

人に期待せず、自由に独りで軽やかに生きているちひろさんの姿がまぶしかった。
人に期待しないで生きれたら、どんなに楽だろうと思った。
だけど、人や自分を信じることはやめたくない。信じる事を忘れたらすごく冷たい人になりそうで怖い。そうして、誰とも交わることなく独りになるのが怖い。

期待することと信じることの違いって何だろう。
べっちんやちひろさんは、何を期待しないで何を信じてるんだろう。
誰かを信じて裏切られる絶望と、誰にも期待しないで独りで生きる淋しさと、どっちが辛いんだろう。

そんなことを考えた。

オカジが泣きながら焼きそばを食べるシーンが泣けた。
「泣きながらご飯を食べた事がある人は生きていけます。」という台詞を思い出した。

「どこへ行っても、孤独を手放さずにいられるわ」のセリフの意味が分からなかった。いつか分かる時がくるのかもしれない。
なお

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