このレビューはネタバレを含みます
観た後に自分の中の孤独を受け止める、受け入れる強さをどこか充実感を持って捉えられる映画、って感じがした。
誰かに期待して、傷ついて、みたいな孤独になれない人間たちのいろんな様を風俗で観てきたんだろうし、その前にも嫌になるほど観てきたと思う。
でも風俗の仕事の中で、上手く世渡りできるようになったはいいし、自分で自分の時間を楽しめるようになったのはいいけど、心の中の空っぽさは消えない。
誰にも言えないような過去や想いがポロッとこぼれてしまい、身体的精神的に誰かに頼ってしまう。
彼女は孤独を愛してるし、孤独で居られる強さが欲しいような気がする。孤独であれない人間のすることの無意味さを知ってるし、自分も体感してきたから。
最後、何だかんだ良い人間関係が周囲にできてきて、それに依存して誰かに期待して傷つけたりしてしまうのが怖くなったのかもしれない。でも多恵ちゃんの、もうどこにも行かなくてもいい、どこに行っても、あなたは孤独を手放さずにいられる、って言葉で、どこか充実感を持って、居心地の良い場所を離れられる、多恵ちゃんのところからやっと立去れたのかも。彼女のとこから離れるってのは相当なものがないと難しい気がする。
彼女は信じてくれたのかも。もうあなたは大丈夫だと。私のことを何でもお見通しの多恵ちゃんが信じてくれた。だから、勇気を持って、次の人生に進もうと思った。
多恵ちゃんとか過去に出会ったちひろさんとは、二人でいるのに、一人でいるときの心地の良い感じが倍増してるみたいな、そんな感じの関係なのかな、って思った。それぐらい、フラットなんだけど、でも暖かくて親密な空気に満ちていた。人間関係の理想型な感じする。。
