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トゥモロー・モーニングのロアーのレビュー・感想・評価

トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)
3.6
ミュージカル好きにコミットした映画「トゥモロー・モーニング」を観てきました。ミュージカル界のスター、サマンサ・バークスとラミン・カリムルー主演という豪華っぷりなんですけど、私周辺の映画インスタ界隈でこの映画を観てた人、全然いない気がする。プロの起用って最強だと思ったんだけど、、、あれ?

とりあえず私はラミンの初主演映画というところに食いつきました。「オペラ座の怪人」のあの子犬の目をしたファントムを観たらもう、絶対みんな私みたいにラミンのこと好きになっちゃうと思う。

明らかミニシアター系映画だし、どうせ田舎では上映しないだろうと思って拗ねてたんですけど、信頼のミニシアターさんがやってくれました。「マッドゴッド」から「トゥモロー・モーニング」まで幅広くありがとうございます。
ありがとうございますと言えば、上映前のシアターでサントラが流れてるのも気分が高まって最高にありがたいです。ばっちりサントラを予習して挑んだので、待ち時間からタイトルソングが流れるオープニングまで、思わず歌詞を口ずさんでしまいそうになりました。
リプライズって訳じゃないけど、いろんな曲の端々にタイトルの「Tomorrow Morning」のフレーズとメロディが入ってるのがたまらない。2人で全く違うメロディを歌いあげる掛け合いのパートはプロの技でしかなくて、聴いていて本当にグッときます。夫婦喧嘩の曲「♪The Reasons」も好き。ラミンの「miracle(ミラコ〜)」の歌い方マジで大好き。

ラストの大団円ダンスに持っていく強引さはミュージカルには割とあるあるなのでいいとして、人生最高の日である結婚前夜、その10年後、人生最悪の日である離婚前夜を交錯させながら2人の関係を再構築するストーリーも悪くない感じでした。

ただ、映画化にあたって演出に難ありだったのが残念。どうやら元のブロードウェイでは結婚前夜の2人と離婚前夜の2人を違うキャストが演じているようで、名前も結婚前夜の2人は愛称のキャットとウィル、離婚前夜の2人はキャサリンとビルという呼び分けがあるみたいなんだけど、過去も現在も同じキャストが演じている映画版ではただただ混乱させるだけで、そこは一緒でも良かったのでは?ちゃんと過去と現在で容姿を変えてたんだから(離婚前夜のラミンの襟足ぴょこりんな髪型とモサモサのお髭がかわいい)。

あと、これは好みかも知れませんが、コマ割りの演出が安っぽくて好きじゃなかった。色々な制約から解き放たれてどちらかというと舞台からの映画化って演出がより豪華になるイメージだったんだけど、普通に映画より舞台の演出の方が良かったのでは?と思ってしまう珍しいパターンの映画でした。多分、あのコマ割り画面って本来なら舞台の端と端で歌ってたんだろうな。回想シーンもパワポで作ったみたいな微妙さだったし、ラストのダンスシーンなんてコマ割りだけじゃなくライティングまで酷かった(そろそろどこ目線からのダメ出しなのかわかんなくなってきたので止めます)。

それでも曲とキャストがとってもいいので大丈夫です。お釣りが来ます。ぜひサントラだけでも聴いてみて欲しいです。

MEMO---
・小さいながらもイケメンオーラが出てた息子役の子は将来人気出そうな気がする。割と大人びた性格なのに、両親の離婚騒ぎで誰よりも深く傷ついてるのが可哀想だった。
・元彼のディヴッドはなんで結婚式にいるの?でもって実は1番のおもしろキャラだった。
・ラミンの裸というサービスシーンがわりとあるよww
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