メル

王は踊るのメルのレビュー・感想・評価

王は踊る(2000年製作の映画)
3.9
フランス絶対王政の最盛期を築き72年という長い間王の座に君臨したルイ14世。
ヴェルサイユ宮殿を建てたり、自身も夢中になったダンスを広める為「王立舞踏アカデミー」を創立してその後のバレエの発展に貢献した。

そのルイ14世の為に献身的に生涯を捧げて音楽を作り続けたイタリア人作曲家ジャン・バティスト・リュリ。

5才で王となったルイ14世は母親とその愛人によって政権は握られていてその鬱憤を晴らすかの様にダンスにのめり込んでいた。

ルイ14世がカツラを被り踵の高い靴を履いている有名な肖像画があるけれど、若い頃の王にあの踵の高い靴で踊らせたのはリュリだった。
因みに正装用としてハイヒールとカツラを流行させたのはルイ14世がきっかけらしい。

リュリの音楽的才能を高く評価したルイ14世と、王の寵愛を一身に受けたかったリュリの屈折した愛情が少しずつズレて行く。

母親が亡くなり政治的実権を握ったルイ14世はもうダンスに興味は無くなったのだ。
王の為に書いた曲なのに最近は音楽会に出席しなくなったルイ14世。
王への気持ちを募らせながら長〜い指揮棒で( 当時の指揮棒はかなり長い)床を打ってリズムを取り指揮をするリュリ。響き渡るバロック音楽。
その時指揮棒が足に刺さり…W(`0`)W
リュリはこの傷が元で壊疽になり命を落としている。

若く美しいブノワ・マジメル演じるルイ14世が全身金粉を塗って踊る太陽神のダンス。(太陽王と言われたのはここから来てる)

その他イタリアから入ってきたバレエがバロックダンスとして17世紀のフランスでどう踊られていたか、宮廷音楽がどんなものだったか、当時の指揮棒がどんな物だったか…興味のある人には面白い!(笑)
メル

メル