生活に疲れ、お金にも困り、怒りっぽいタクシー運転手のシャルルが乗せたお客様の92歳の老婆マドレーヌが、驚くべき人生を送っていたことを知り、ドライバーの人生も変えていくという、とってもポジティブな映画です
ロードムービーではないですが、パリを走るタクシー（ルノーです）の中での会話、そこから過去へのフラッシュバックと、とても自然な流れで映画が進んでいきます
さながらパリの観光をしているように、エッフェル塔やヴァンドーム広場、焼けたノートルダム寺院も映ってました。そして夜のパリ、シャンゼリゼ通り、本当にパリの街が美しく撮られています
そしてマドレーヌが本当にチャーミングです。とても怒涛と自由をもとめ戦った人生を送ってきたとは思えないほどです
そして、マドレーヌのその人生をタクシーで辿ることで、シャルルとマドレーヌの間にエモーショナルな関係ができてきます
初めは、怒り、苦味虫をつぶしたような顔のシャルルが、柔和になり、笑顔が出るようになり、自分の人生も語りだすようになります
この関係の変化も自然に描かれており、観ているこちらも笑顔になります
そして、ダイナワシントン歌うジャズがとても映画にあっています
Sunny side of the streetがあまりに良くて、泣いてしまいました
ラストの筋書きも素敵でした
「ひとつの怒りでひとつの老い、ひとつの笑顔でひとつ若返る。」
良い言葉です
