フォロワーの皆様の感想が良かったので鑑賞
面白い映画です
白人だけでなく、我々アジア人も同じように持つアフリカ系アメリカ人への先入バイアスが初めから覆されます
アメリカの黒人、、、スラムに住んでおり、教育を受けるのも難しく、故に労働階級に属しており、ラップが好きで、犯罪者が多く、麻薬に溺れている、というステレオタイプの先入観念。
しかし、この映画の主人公モンクは小説家、それも純文学です。家族は彼を除いて全て医者、実家にはお手伝いさんがいるという設定、これだけで十分先入観念が破壊されます。そしてガールフレンドとなる女性は弁護士。
そして、売れない小説家は、偽名を使い、前科者という触れ込みで、純文学ではなく、白人から見た黒人を題材にした大衆小説を志に反して書いたところ、大ヒットし、映画の原作にもなってしまいます
「多様性」を担保するため、黒人男性一人、黒人女性1人、白人男性1人、白人女性1人で構成された最優秀作品を選出する委員会では、この作品の著者がモンクとは知らない委員たちは、この作品選出に関して討議を行い、黒人女性はこれをある種の意図を持って白人対象に向かって書かれた作品であり、作品の質が良くないと看破したことに対し、残りの白人たちは白人が持つ黒人像にフィットしており、面白い作品であると考え、作品を最優秀作品に選んでしまいます。
このあたりの白人が知的であればあるほど、多様性を重んじなければならない、自分の中にある差別感情を乗り越えなければならないが、無意識に持ち上げてくる差別感情に対する罪の意識が根底にあることを映画が描こうとしているところが、単なるブラックコメディではなく、なかなか深いと思わせてくれます。
そういえば、アメリカにいる白人と仕事をしているとき、このベールで包まれた白人の差別感情をアジア人である私も感じたことを思い出しました
とても面白い映画でしたが、残念な点がふたつ。
一つはアマゾン配信だけであり、映画館で上映していないこと。
もう一つは、配信が吹き替えしか見つからず、原語が日本語にうまく翻訳されているのか検証出来なかったことです。
本当の多様性とは、という現代に突きつけられた課題を感じる映画でした
