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パリタクシーのsheのレビュー・感想・評価

パリタクシー(2022年製作の映画)
3.9
超絶ベタなのに(ベタだから)めちゃくちゃ泣いてしまった。狭い車内で繰り広げられる、92歳のおばあちゃんの壮絶な身の上話。最初は「うわ〜隙あらば自分語りやめちくり〜〜」とシャルルと同じように思ったけど、過去話と現在が同時に進んでく中で、どんどんおばあちゃんの魅力に引き込まれていった。酸いも甘いも知り尽くしてきたからこそ滲み出る美しさと、物事への構え方に尊敬する。正直回想シーンは安っぽい再現ドラマみたいだし、絶対オチはこうなるし、サプライズもでしょうねって感じなんだけど、それが良くて、普遍的な価値がある作品だと思う。多分この先何年後でもリメイクできるし、どんな都市でも作れる良さがある。とは言いつつ、やっぱりパリの街並みは溜息が出ちゃうほど美しくて、大好きだな〜と思った。

自分はパリを感じたくて観に行ったので、このドストレードな邦題は良いと思う。原題に倣った『美しき旅路』等だったら、埋もれて観に行ってない。必ずしも毎回原題に沿う必要は無いと自分は思っている。ビジュアルもしかり。大体、邦題とか日本版ビジュアルに文句を言う人は作品を観てから言っていて、観客に劇場に来させるのがどれだけ大変かが分かってない。本国と同じverでも貴方は観に来ましたか?と問いたい。
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