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悪は存在しないのsheのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0
またまた面白い…濱口監督毎回驚きが凄くて溜息でる。
前半環境映画かなってくらい自然の映像が続いてウワ〜キレ〜〜〜〜(ちょいウトウト)ってなったけど、それでも急な山葵目線とか、ファンタスティックな送迎ミッション(ここのカメラの切り替わり鮮やかすぎん?)にハッとなる瞬間がいくつもあって、説明会がはじまってからはもう釘付けだった。濱口作品の棒読みを聞いてると、雑念が消えていって3時間でも5時間でも余裕で観れちゃうの毎回不思議。座禅より効果ある。
中盤から高橋&黛との交流でちょっとほっこりするのに、何故かずっと緊張が解けない、不穏が続く。ぶつ切りの音楽、変な構図、滴る血、1回目と2回目で印象が変わる死骸。グランピング場の建設は確定事項で、それは高橋と黛のもっともっと上の、巧の落書きには出てこない人たちが現場も見ずに勝手に決めていて、だったらこっちだって黙ってないですよ?とでも言うような、自然の警鐘が凄かった。特に真っ暗で広大な森の中を、ちっぽけな人間たちが心許ない懐中電灯で必死に花を探す姿。逆らえないなと思った。巧の「バランスを崩してはならない」を、身をもって体感する怖さというか。
あとは巧と花は人間の姿をした自然側の存在なんじゃないか、とかね、色々思考が膨らんで時間が経った今も楽しい。終始不穏で不思議で目が離せない、今回も最高ハマグチ。
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