inspection=検閲。
ゲイであることを理由に母から捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活をしていた男が、生きるために海兵隊に入る物語。
監督・脚本を務めたエレガンス・ブラットンの人生が元になっている。
実話ベースだからこそ、そして監督自身がモデルだからこそ、フィクショナルなメッセージ性や映画としての完成度の外にある事実が刺さる。
お前は共産主義か?薬物をやったことがあるか?重罪犯か?ゲイか?と、これらと同列に扱われる辛さ。
他にも、宗教、人種など様々なことが検閲され、公の元に晒され、“新兵に厳しく接するための道具”として扱われる辛さ。
物語後半でチラチラと見え出す温かな光、そしてこの作品を作れるに至った劇中では描かれない経緯を繋ぎ合わせて、やっと希望を見出すことができた。