素潜り旬

福田村事件の素潜り旬のレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
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学生の頃から大杉栄が好きで彼の著作だけでなく登場する映像作品や書籍はかなり目を通したので関東大震災にまつわる差別やデマの描写を目にすることが多かったのだけれど、本当に辛い。この映画も観ること自体が辛くて、しかも終盤に向けて村人も行商団も日常をbetし続けるのもエグい。ただお芝居が凄いから目をそらせない。特に肉欲を一身に引き受ける東出のヤバさ。登場人物全員が自分が信じる正しさで行動するなかで、彼の振る舞いの意外性には心を打つものがあった。俺は『菊とギロチン』で共演して、この人やっばいなあと思ってから目が離せなくなってしまっていて、映画館で出演作が公開されたら大体観に行くし、いまAbemaでやっているひろゆきとアフリカを横断する番組も楽しく観ている。この番組の東出が本当にヤバくて、牛を買って自分で解体したり、長い煙草の葉の巻き方をなぜか知っていたり、警察に呼び出されて向かう車のなかでナイフを研いでいたりする。舞台挨拶で実際に見てみると良いひとそうな感じで、笑いかたもよくて、それもまたヤバい。
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