怒ってる映画は強い。Winny、月、然り。
村社会と朝鮮人差別と哀れな勘違いが招いた、日本人による日本人虐殺というショッキングな題材を群像劇を用いて多方面の感情から描いた作品。見応えありまくりの地道で強靭な映画だったけど、このモノクロ薄味のポスターは、劇場に来る若者の足を確実に遠のかせていると思います。若者が観るべき映画っぽいだけに、そのズレだけめっちゃ残念...。
キャスティングもお見事で、ちらほらと「世間騒がせた勢」もいてそれが逆に牽引力にもなっていて良かった。個人的には豊原さんが抜群でした。“事件”のシーン。「せんじんだ〜!」「殺せ〜!」と周りで騒いでる農民たちが掲げるマサカリが、途中からスマホに見えてゾッとした。ただの現代の風景じゃん。すぐ撮る野次馬。ミスチルの桜井さんもこう歌ってる。「まずはお前らが死刑になりゃいいんだ」と。