ぴあ高校生だった

福田村事件のぴあ高校生だったのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
3.1
 関東大震災時のとある村での虐殺事件の映画ときいていた。
 大正期の日本では、まだ片田舎においては正確な情報や知識が絶対的に不足し、また当時の権威主義的な官僚体制下や、鎌首をもたげ始めていた軍部の影響が事件に拍車をかけているように感じた。
 朝鮮中国の人々や、それに間違われた日本人、就中首都東京でも社会主義者とレッテルを貼られた、今でいえば自由主義の思想家も、震災の混乱に乗じて虐殺・暗殺の対象となったお粗末な日本の姿が描かれていたのは、中々骨太な感じがした。
 エンディングで震災の混乱の中での虐殺者が6,000人(?)とあったが、事実ならば看過できない負の遺産である。しかし劇中であった提岩里事件と思われる描写が、wikiなどとは違う様で、もしバイアスのかかった表現だとしたら残念である。