ホリ

福田村事件のホリのレビュー・感想・評価

福田村事件(2023年製作の映画)
4.5
加害者としての日本。
地震による災害時、
『朝鮮人が井戸に毒を入れたり、
家の物を盗むために襲ってくる』
という噂が広がる。

その姿を直接、
見た者は登場せず、
噂だけがどんどん広まっていく。

結果として、
不安という感情のみが
膨れ上がり…
その集団心理が
正常な人から、
人の皮を被った
化け物に変えてしまう。

ある者は
『夫が帰ってこないのは、
鮮人に襲われたから』
と思い込んでしまう人物も。

その結果が鮮人の虐殺や、
日本人同士が殺し合う結果に
繋がってしまう。

この映画を見ていると、
自分が同じような
状況に立った時、
どういう行動を
取るか考えてしまう。

何を信じるか…
見ている側が試されている。
特に現代においては、
SNSで不確かな情報や
フェイクニュースが拡散され、
より、その本質を
見抜くのが難しくなっている。


映画のコンセプトを
引き出す台詞も
非常に生々しかった…
以下、メモ。

・『涙や鼻水が凍るほど、
  寒かったって…
  何でそんなところで
  戦争なんか』

・『正しい死…戦争なんてない。
  正義の押し付け合い』

・『俺は鮮人を殺すために
  外国語を覚えたのかな』 など。
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