このレビューはネタバレを含みます
久しぶりにカメラ酔いしてしまう場面が何度もあったし、終始長回しなのでモキュメンタリーみたいだなと思ったりしたし、音声のバランスも悪い部分は否めなかったけど、不思議とこの映画のことを日常生活の中で思い出してる自分がいる。
街で全速力で走る彼を見つけたあの場面が、ラストシーンに繋がっているということが、とても良かった。監督が「優しいことが一番大切」とおっしゃってたけれど、それを体現するように、森の中を走って駆け上がってきたあの光景が美しかった。監督がこの映画を撮ろうとした意味が私にも分かったし、人間の最もつらい部分と、少しばかりの希望が共存するような作品だった。