日本には、法制度にさえ「家族割り」があるし、迷惑をかけた人間が「普通である」努力をしただけで褒めたたえられるという異常性がはびこっている。
どんなに声をあげても「そんなことないよ」「親は平等に子どもがかわいいもんだよ」「自分が親になれば親の大変さや愛されていたことがわかるよ」という言葉の暴力に押し込められてしまう現実を、この映画は完結に鋭く描いている。
犯罪者の育成は家庭によって起こっているという現実から目を背けてはならないし、「成人」は「子育て」の答え合わせなのだということを忘れてはならないと、この映画はひしひしと語り掛けてくる。