ハヤメソソ

正欲のハヤメソソのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

普通に生きるって何だろうな。
私もそっち側なんだよなぁ。
…と感じながら観た人も多いのではないか。
この作品には様々な生きづらい事情を抱えた人たちが出てくる。
小児性愛者が別格で異質だったけどさ、自分を抑えることが出来れば、物理的には誰も傷つけることなく生きていくこともできなくはないはずなんだよね。
難しいんだろうけど。これに関してはどうしたらいいんだろね。
(犯罪は絶対に許しません)

犯罪にならないものとしては、男性が怖い、異性を愛せない、恋愛感情自体がないetc...
色々あるけれど、それでもみな(少なくともこの作品内の登場人物は)寂しいという感情を持っている。鬱屈している。
同士を見つけた時に、安堵と喜びを感じている。
誰かに理解されたいし、ひとりぼっちじゃないんだと安心したい。
だから人間が嫌いなわけではないはずだ。だだただ「生きづらい」だけで。

これらにもっと単純に(普通に生きたいけど)「周りとのコミュニケーション」「恋愛」などが「上手くいかない」という類いを入れると、かなり多くの層がいると思う。
純粋に「人間嫌い」もいるだろうが、それはこの星に生まれ落ちた以上、それを全面に出しては生きていけない。関わりたくなくても絶対に一人で生きて死んでいくことはできないから(それをするにはある程度の財力と備えがいる)。
孤独な金持ちという表現を聞くが、それは実は本人が望んだことなのではないか?(叶えられて幸せなのかもしれない)

話が脱線したが、寂しいという感情がある以上、人は嫌でも人との関わりを避けられない。
これから先の未来、世にいう「普通」にあてはまらない人間がただただ「生きにくい」と絶望するだけでなく、同士で助け合うようなコミュニティを各々が作り出していく努力も必要だよなぁと考えた。(自分も蚊帳の中)

あと、いわゆる「普通じゃない」人が増えていくと、それは人類滅亡のルートに入るけど変えられないならそれは運命なのかもしれないなどと感じました。

大学生の八重子ちゃんが気になる。あの子もひとりじゃないといいな。