ふみ

正欲のふみのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
4.0
「あっていけない感情はない」
このセリフに尽きる内容。

理解できないものを排除する気持ちも、誰かに理解してもらいたい気持ちも、同じ指向を持つ人を探したい気持ちも、全て分かるし、全員ちょっとずつ嫌いになるし、そんな自分も嫌になる。って感じの内容でした。多様性を知った気になっただけでした。

全員間違ったことは言ってないんです。ただ、言い方だったり表現の仕方で全員嫌なやつに見えてしまう。

マイノリティ側がマジョリティ側を馬鹿にするシーンもあったり、マジョリティなのに孤独に映るシーンもあったり、今の日本は誰のためにあるのか、分からなくなってしまいます。

皆「普通」に生きたいだけなのに、皆生きづらい。「普通」のハードルが高すぎる。
自分の優しさが必ずしも誰かにとっての優しさとは限らない。余計に他人との距離を置くしかない。孤独に近い環境が1番安全で平穏で「普通」を装える。それが今の日本なのかもしれない。
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