ふみ

市子のふみのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

田舎では2ヶ月遅れでようやく上映開始。待ってました。結構席埋まっててびっくり。

杉咲花さん、ここまで演技の幅が広く深いとは思わなかったです。
「市子」の過去はもちろん衝撃的ですが、「市子」の表情一つ一つに惹き込まれました。
彼女があまり本心を語ってくれないし、真相が100%開示される訳ではありません。それでも彼女が「市子」という名前に強くこだわる点や、普通に生きたいのに上手くいかない葛藤が行動と表情で痛いほど伝わる。

プロポーズの涙、パティシエの夢、焼きそばとビール、浴衣。
どれも我々にとって普通の日常なのに、戸籍がないと幸せを感じるスタートラインにすら立てない。
彼女が幸せを手に入れるためには、誰かの戸籍を奪うしかない(=殺人、誘拐)と思うと、やるせないですね。

貧困、ジェンダーとはまた違う切り口の社会問題に触れられて良かったです。

その気はないのに周りを巻き込んでしまう魅力は、天使か悪魔か。
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