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笑顔が無く無表情の新垣結衣が象徴的だった。
誰も理解できないフェチ世界に焦点を当てた映画である。それが理解できない唯一観客に近い視点者として、検事の寺井(稲垣吾郎)が登場するが彼も理解できないまま巻き込まれて行く。
観客は映画が進むにしたがって題名がなぜ「性欲」でないか徐々に判明して行く。それは衝撃的な内容で語られるが、全く理解できない奇妙で不思議な気分だ。そのフェチ世界を登場人物たちが真面目に演じる滑稽さは、怖さもあり唯一のエンタメとして印象に残る。
本作は常識への挑戦的な映画であるが、検事が関わる事件で非常に後味の悪い結末で終わる。これは取ってつけた様な内容で、フィクションが際立って私は白けた。せっかくの緻密なシナリオがそれによって壊れたのは残念であった。ただ、監督の演出は素晴らしい。
