ねむろう

アアルトのねむろうのネタバレレビュー・内容・結末

アアルト(2020年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

2023新作_252


そのデザインは、"人"に寄り添う


【簡単なあらすじ】
フィンランドが生んだ世界的建築家でデザイナーのアルヴァ・アアルト (1898-1976)が今年 2023 年に生誕 125 年を迎えたことを記念して公開される本作。
不朽の名作として名高い「スツール 60」、アイコン的アイテムと言える「アアルトベース」、そして自然との調和が見事な「ルイ・カレ邸」など、優れたデザインと数々の名建築を生み出した彼のデザイナーとしての人生を突き動かしたのは、一人の女性だったー。



【ここがいいね!】
フィンランドの建築家デザイナー、アルヴァ・アアルトという人物の生涯、そしてその人生の中でデザインした作品、さらにアアルトのパートナーであったアイノとエリッサという女性との関係を描いた作品です。
シンプルに、アアルトの活動を年表的に紹介していくというところでは、非常に分かりやすい内容でした。
さらに、デザインをした建築やモノの紹介もある程度されていて、そこにアイノとエリッサとの関わりも入れ込んで、というバランスは非常に良い作品だったかなと思います。



【ここがう~ん……(私の勉強不足)】
年表的に構築された映画であるという話をしましたが、ではそのアアルトという人物が、当時のデザイン界の中ではどんな立ち位置をとっていたのか、同じ時代にはどんなデザイナーがいて、その人たちはどんな立ち位置だったのか、社会全体的な潮流としてどんなものが流行していたのか、というところの説明ももっとあると良かったなと思います。
また、今回はアアルトの作品ですので、仕方ないところではありますが、アイノとエリッサそれぞれもデザイナーとして活躍していたわけですが、その2人のデザイナーとしての活躍はあまり紹介をされていなかったところはあるので、そのあたりもちょっとだけでも入っていると良かったかなと思います。



【ざっくり感想】
やはりこのような芸術関係?ドキュメンタリー作品を見ると、自分の感性が刺激されるような感覚にとらわれるのが、「良い時間だなあ」と感じます。
その中でアアルトは、それを使う人や、それにインスピレーションを与えた過去のものに敬意を示していたのかなと、なんとなく感じました。
作ったもの自体への愛はそうですが、それを使う人、それがある環境にどれだけ寄り添うか、マッチするか、というところも考えていたのかなと感じる作品でした。
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