Appare99

西部戦線異状なしのAppare99のレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
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凄いの一言。

第一次世界大戦の戦い方は塹壕戦と言われ、穴を掘ってそこから突撃して相手の陣地へと攻め込むもの。
つまり特に作戦などは無く突撃するだけ。
しかも兵士が生身で突撃する。
だからその兵士に視点を向けないと第一次世界大戦はどんなものかを知れないとも言える。
歴史の教科書の政治的な背景なんてぶっちゃけ後でも良いぐらい。

突撃していく中で横では友人が撃たれて死んでいく、
その残忍な描写をこれまでかと生々しく描く。
一方で、人間模様もしっかりと描く。
その人物がどんな人でどんな背景があるのか。
だからその人が死ぬとそのすべてが消えていくような無情さがある。

しかし、悲惨な描写の中に時折、絵画のような美しい描写もある。
悲惨な描写の中に出てくる美しさはとてつもなく美しく見える。

演技力もとてもレベルの高く、それに応えるように映像化のレベルが高い。
ここまでの作品を創るのには相当命を削ったことだろう。

映画史に残るほどの傑作。ドイツ映画では過去No.1の作品。
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