かっこ

西部戦線異状なしのかっこのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.5
映画として、物語の主人公はいるものの、その人間性や感情に演出で深入りことはせず、
大迫力で美しい映像と音楽のもとに淡々と物事が進んでいきます。

淡々と、どこか客観的に眺めることになるからこそ、戦場における一人一人の人間の脆さ、西部戦線の凄惨さ、兵士たちの虚しさが際立って感じられました。
加えて、主人公や敵味方の表情からは感情がグイグイ伝わってきて、そのバックボーンは深く語られないまでも、兵士たちの苦しみは追体験することになる。
内地や占領地の軽さ暖かさ穏やかさ、戦場での重さ冷たさ激しさのコントラストで頭が痛くなります。美しいけどしんどい。

映画館で観られたらもっと印象もスコアも上がったはず。
家のテレビとスピーカーじゃ限界があるなぁ…。
映像と音楽が素晴らしく、それらに力を振られているからこそ、それぞれの環境で映画全体の印象すら変わりそうな気がしました。
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