みずきち

西部戦線異状なしのみずきちのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんとも後味の悪い映画。
良かったのは、靴と衣服を遺体からわけるとか、軍服を修繕する女性たちとか、雨水を塹壕からかき出すとか、ドッグタグを半分にわって回収していくとか、トイレとか、戦車が塹壕を超えていく恐怖感とか、細かい描写が多くて興味深かった。そんな風になってたのかと。
前半、ちょっとナショナリズムに浮かされた普通の青年たちが無邪気に志願して従軍していき、こんなはずじゃなかったと後悔する様子がとても辛い。

そんな中主人公は、鑑賞者のナビゲーターも兼ねてるのでなんだかんだ生き抜き、しかも結構強いのだが、最後、プライドと戦功への執着を捨てられなかった元帥?の謎突撃命令で命を散らすのは、そりゃないよって感じ。そのメチャクチャ感、無常感、淡白感がリアリズム溢れる戦争映画だった。ドラマチックな演出とか一切ない。

エンドロールで語られたのは、4年間でこの戦線はほとんど動かなかったということ。そりゃ異常なし、報告事項なしである。その裏で両軍300万人が静かに、無常に死んでいったのかと考えるとタイトルが重い。
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