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西部戦線異状なしのrexのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

第一次世界大戦をドイツ兵の視点から知ることができる映画。
ヨーロッパの町並みは美しいが、メインの舞台の戦場は泥と血にまみれている。
映像・衣装・演技・舞台・特殊効果など映るものすべてがリアルで、体験したことのない第一次大戦を身近に感じることができた。特に「泥」へのこだわりを感じた。泥の質感の違いにより不快感の中にも複数の感覚を味あわせてくれる。

戦争映画の楽しみ方としては、兵隊や武装、兵器を見てかっこいい!と思うことと、兵隊達のドラマを観て感動なり、共感なり、虚しさや恐怖を感じるのがパターンであるが、本作は「兵隊かっこいい!」と「戦争は虚しい」のバランスとしては後者9割だ。
第一次大戦ならではの初期の戦車やガスマスクなど、珍しいものを見られて嬉しい気持ちもあるが
、最悪な死に方を何度も見せつけられ、当事者である主人公の心情に近づくことができた。
終戦数秒前で命を落とした兵士も実際にいること、上官や政治の判断一つで多くの兵士が落命したことを教えてくれた。
100年ほど前の話だが、現代でも同じことが行われていることを考えずにはいられない。

私の戦争に対するイメージを「虚しい」に焦点を調整してくれた作品。
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